空き家に関する悩み、ひとつではありません。
- 相続して実家を放置している…
- 遠方にいて見に行けない…
- 郵便物や通電、ご近所への気遣いも不安…
そんな方のために、空き家管理に必要なことを「まとめて」「やさしく」解説します。
空き家管理の基本|放置するとどうなる?
まず一番多いご質問が「空き家を放っておくとどうなるの?」というものです。
実は、空き家は、人が住まなくなると、数年で驚くほど早く傷みが進みます(劣化スピード)。空気がこもり、湿気が溜まり、ネズミやシロアリの被害が出ることもあります。雨漏りに気づかず屋根や天井が腐ってしまった、ついになんて話も珍しくありません(空き家 劣化)。
台風や大雨による被害も見逃せません。人が住んでいればすぐに対処できることも、空き家だと何日も気づかないまま。被害が広がってから修理を依頼すると、費用も大きく膨らんでしまいます。
そして、建物が劣化すると、資産価値もどんどん下がってしまいます。近所の方から「草が伸び放題で困ってる」「ゴミが放置されている」などの苦情につながることもあり、最悪の場合は、自治体から「特定空家」として指導を受けることもあります。

特定空家に指定されると、助成金の対象外になることもあり、行政から強制的に解体を命じられる場合もあります。
空き家管理にはこんなリスク!
- 雑草やゴミでご近所からの苦情
- ポストに郵便物がたまって空き巣の標的に
- 雨漏り・カビ・害虫・劣化の進行
- 固定資産税の増額(特定空家に認定されると)
空き家の荷物はどうすればいい?代表的な処分方法
空き家に残っている荷物の処分には、いくつかの方法があります。最近では、家財が残った状態でも一括で片付けから対応してくれる業者が増えてきました。場合によっては、荷物込みでそのまま買い取ってもらえるケースもあります。売却を前提とする方には嬉しい選択肢ですし、時間と労力の節約にもなります。
- 市の粗大ごみ施設に持ち込む(民間の回収業者に依頼する)
- 不用品買取
1.市の粗大ごみ施設に持ち込む
まずは、南島原市の粗大ごみに出せないかを検討しましょう。もし、ご自身での搬出が難しい場合は、南島原市の指定の処分業者に依頼すると良いと思います。
もし、ご自身での運搬、処分が難しい場合は、指定回収業者に依頼すると良いと思います。
2.不用品買取(空き家 不用品 買取)
リサイクルショップに回収を依頼すると良いでしょう。家具や電化製品の一部は、リサイクルショップや買取業者で対応してもらえます。ただし、状態や製造年によっては買取不可となるケースも多いため、あまり高額での買取は期待しない方が無難です。状態が良いものやブランド家具などは一度見積もってみる価値があります。
たとえば「○日までに片付けたい」「この部屋だけ急ぎたい」「仏壇の対応が心配」など、細かいご要望にも柔軟に対応できるところが多いです。
3.地元の便利屋に依頼する
おとなりサポートのような便利屋さんに依頼するのも一つの方法です。
空き家自体を処分する場合の費用例
処分費用
家の大きさや物の量にもよりますが、一般的な一軒家の場合、荷物の処分費用は30万円前後が目安です。物量が多かったり、運び出しが難しい間取りの場合はこれ以上かかることもあります。見積もりの際は、仕分け、運搬、処分費用が含まれているかを確認しましょう。
ここで、いくつかのケースをご紹介します。
事例1:ご両親が施設に入所後、空き家の片付けをご依頼いただいたケース
-
- 内容:タンス3棹、洗濯機、ベッド、布団、細かい不用品(ダンボール約20箱)
- 作業:2名×半日、トラック1.5台分 ・費用:約5万円
事例2:解体前にすべての不用品を処分したいというご相談
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- 内容:冷蔵庫、衣装ケース、ソファ、テーブル、古い布団、食器棚など
- 作業:2名×1日、軽トラック2台分 ・費用:約7万円
事例3:リフォームのために一部屋だけ急ぎで片付けたい
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- 内容:学習机、テレビ台、古いオーディオ機器、書籍、段ボール10箱
- 作業:1名×2時間、軽トラック1台 ・費用:約2万5千円
このように、内容や物量によって費用は変動しますが、ご予算に合わせて柔軟にご提案いたします。
空き家そのものの処分
荷物を整理した後は、空き家をどうするかを決める必要があります。売却・解体・寄付・自治体への相談など、選択肢はさまざまです。空き家バンクのような制度や、相続放棄という方法を選ぶ方もいらっしゃいます。地域によって支援制度が異なるため、事前の情報収集が重要です。
空き家の解体費用(取り壊し費用)
建物を取り壊す場合、木造住宅なら100万円〜300万円程度が一般的な相場です。築年数が古かったり、住宅密集地で重機が入りにくい場合はさらに費用が増すことも。また、アスベストなど有害物質が含まれていれば、別途費用がかかる場合もあります。見積もりは複数社から取り、内容をしっかり比較しましょう。

南島原市は空き家の解体費用を補助する仕組みがあります。詳細は南島原市役所のサイトへ
管理の前に「費用と手間」を把握しておこう
自分で行う場合と、便利屋などに依頼する場合では大きく異なります。
- 自分でやると交通費・時間・体力が必要
- 業者に頼むと定期訪問・写真付き報告・緊急対応も可能
遠方にいても安心!空き家見守りサービスとは?
- 月1回などの定期訪問で状態を確認
- ポストの整理、通風・通水、写真付き報告など
- 緊急時の対応やご近所連携もサポート
南島原市の空き家管理|遠方でも安心!便利屋が見守り・片付けまで対応
見落としがちなポイント7選(防犯・劣化)
チェック項目 | 注意点 |
---|---|
ブレーカー | 切っておかないと漏電・火災リスク |
ポスト | 放置は空き巣の目印に |
雨樋 | 詰まりによる雨漏り |
ブロック塀 | 老朽化による倒壊リスク |
換気 | カビ・腐敗・害虫の温床 |
庭木 | 隣家との境界トラブル |
外観 | 人が住んでいない印象を与えない工夫 |
ブレ―カー、ブロック塀対策例
空き家をお持ちの方や、実家の管理を任されている方にとって、見落としがちだけど大切なポイントがいくつかあります。その中でも「ブレーカーの管理」と「ブロック塀の安全性」は、特に注意していただきたいです。
ブレーカーを落とす?そのまま?
長期間空き家にする場合「電気は止めた方がいいの?ブレーカーはどうすればいいの?」とお悩みの方が多くいらっしゃいます。
まず結論から言うと、ブレーカーは基本的に落としておくのが安心です。人が住んでいない状態で通電を続けていると、湿気やホコリなどが原因で漏電が起きる可能性もあるんです。特に、築年数の古い住宅ではそのリスクが高くなります。
実際、長く放置された空き家で、いつの間にか配線の一部が傷んでいたり、屋根からの雨水がブレーカー周辺に影響を与えていたりしたケースもあります。そのままにしておくと火災などの原因にもなりかねません。
ただし、防犯カメラやタイマー式の照明を活用している場合など、最低限の通電が必要なこともあります。その場合は、必要な回路だけを残して他はオフにすることで、漏電や火災リスクを最小限に抑えられます。
漏電を防ぐには?
空き家の漏電対策として、まず一番大切なのは「ブレーカーを落とすこと」と「定期点検」です。漏電ブレーカーが設置されていれば、ある程度の安全性は保たれますが、それでも完全ではありません。
特に雨漏りや湿気の多い立地では、電気機器の内部に水分が入り込み、漏電につながることも。地域によっては雷による電気系統の不具合も心配です。
点検の際は、通電状態の確認に加えて、分電盤のカバーを開けて埃が溜まっていないか、異常音がしないかを確かめてみてくださいね
空き家のブロック塀、倒れていませんか?
意外と見落としがちなのが、空き家まわりのブロック塀です。
年月が経つにつれて、ブロック塀は劣化し、ヒビが入ったり、ぐらついたりしてきます。これを放置していると、地震や強風の際に倒壊する危険があり、通行人にケガをさせてしまう恐れもあります。
とくに昭和時代に建てられた塀には、鉄筋が入っていないタイプも多く、強度に不安があるケースが少なくありません。また、根元が見えにくい場所では、シロアリや植物の根の影響で内部から弱っている場合もあります。
ブロック塀の破損は、所有者の管理責任が問われるケースもあり、損害賠償に発展することも。そうならないためにも、定期的に目視での点検を行い、ひび割れや傾きがないか確認しましょう
空き家の電気・水道・郵便物の管理と節約の知恵
- 通電と遮断の使い分け(冷蔵庫や防犯灯の有無で)
- 通水は定期的に実施しないと配管内が腐食
- 冬季は凍結防止に要注意
空き家の電気は止める?つけっぱなし?
空き家の電気、どうしていますか?
長期間空けているなら、基本は電力会社に連絡して「使用停止」の手続きを行います。ブレーカーを落としておくのも安全上とても大切です。
でも、警報機や防犯カメラ、タイマー式の照明などを使用している場合は、電気が必要なケースもあります。そんなときは「最低限の通電」で維持することも選択肢です。夜になると明かりがつくように設定しておけば、防犯効果も期待できますし、誰かが住んでいるように見せかける工夫にもなります。
なお、電気のメーターは停止しても外されるわけではありません。しばらく放置していると、基本料金が発生していることに気づかず支払い続けているケースもあるので要注意です。使用しないなら「契約解除」まで行いましょう。
空き家の水道も止めた方がいい?
水道も基本的には止めることをおすすめします。 使わないまま放置すると、水道管内にサビや汚れがたまってしまうことも。水道局に連絡して、止水手続きをしておくと安心です。
また、冬場の凍結や破裂リスクも避けられます。特に南島原市でも朝晩の冷え込みがある地域では、水道トラブルの防止にもなりますよ。
防犯のための電気の工夫
「空き家だからこそ、泥棒に狙われないか心配」という声、よくお聞きします。
夜になると照明が自動で点灯するようにタイマー設定をしておいたり、防犯カメラのダミーを設置したりするだけでも、空き家であることを悟られにくくなります。実際の被害防止にも役立ちますし、近隣の方にも安心感を与えられます。
そして、これらを維持するためには最低限の電気供給が必要な場合もあります。その場合でも、電気会社との契約内容を見直して、できるだけ基本料金を抑えるプランに切り替えると節約にもつながります。
空き家の郵便物対策(転送届)
※転送開始までに3〜7営業日のタイムラグがあるため、早めの手続きが大切です。
住んでいない家に届く郵便物は、日本郵便の転居・転送サービスを利用すれば、管理者の自宅に送ることができます。
宅配便やダイレクトメールの対応方法
海外へ転送したい場合には、民間の郵便転送サービス(例:DANKEBOXなど)を活用するのもひとつの方法です。海外在住の方に便利です。
ヤマト運輸や佐川急便などの宅配便は、郵便局の転送とは別で、個別に転送手続きが必要です。また、DM(ダイレクトメール)は「情報提供会社」や「発送元」に連絡すれば、今後の郵送を停止してもらえるケースもあります。
故人や別居家族宛ての郵便物対策
住んでいない家族や亡くなった方宛ての郵便物が届き続けるケースもあります。
- 発送元に「現住所で受け取れない」ことを連絡し、送付先変更を依頼する。
- 故人宛ての郵便は、郵便局に「死亡届出」を行い、配達停止を依頼(本人確認書類や死亡を証明する書類が必要)。
- 故人宛ての郵便物を開封する場合は、信書でない限り法的リスクは少ないとされますが、気になる方は法務局などに相談しても良いでしょう。
チラシや広告は「防止ステッカー」で抑制
郵便物とは別に、ポストに投函される広告チラシや無料新聞などは、止める手段が異なります。「チラシ投函お断り」「広告不要」などのステッカーを貼ることで、ある程度の投函を防げます。
空き家に特有の郵便物対策
日本郵便では、2025年より「空き家みまもりサービス」を開始しています。定期的な郵便受けの確認や報告、転送支援などを行う内容で、離れた場所からでも家の状態を把握できる仕組みです(詳細は郵便局窓口にてご確認ください)。
- 自治体や町内会からの回覧板が届く場合は、役場や自治会長に停止依頼をしておく。
- メール便や宅配便については、「受取拒否」設定や宅配ボックスの活用も効果的
- 空き家管理サービスに依頼すれば、ポストの回収や定期転送にも対応してくれる場合があります。
- 近隣の親戚や信頼できる方に、月1回の確認をお願いするだけでも安心度は変わります。
空き家をどう活用する?売却・賃貸・バンク登録
- 空き家バンクへの登録で地元移住希望者にPR
- 管理を続けながら売却や賃貸も検討可能
- 相続・名義変更の手続きは専門家に相談
「空き家を売りたい」と思ったとき、最初にやるべきなのは、不動産会社や買取業者さんへの相談です。どの方法がご自身に合っているかを知ることが大切です。
売却方法には、大きく分けて2つのパターンがあります。
一つは「仲介」で、地元の不動産屋さんに買い手を探してもらう方法。もう一つは「買取」で、不動産会社や専門業者が物件を直接買い取ってくれる方法です。
仲介は、希望の価格で売れる可能性がありますが、時間がかかることもあります。一方で、買取はスピーディーに進みますが、価格が仲介よりもやや低くなる場合が多いです。
特に南島原のような地域では、空き家の需要が限られているため、売却に時間がかかるケースが多いのが現実です。
売る以外にもいろいろある「空き家の使い道」
空き家の活用方法は、売却だけではありません。実は使い道はいろいろとあります。
他追えば、建物の状態が良ければ、賃貸住宅として貸し出すことができますし、最近ではリモートワークや週末移住などを見越した短期滞在用の施設としての需要も出てきています。
ほかにも、物置や倉庫、趣味の作業小屋として使う、地域の交流スペースにする、畑作業の休憩場所にする…など、アイデア次第で活かし方は多様です。
ただし、どんな使い方をするにしても、ある程度の片付けや整備、定期的な管理は欠かせません。長年手つかずだった空き家は、湿気や傷みも進んでいます。草刈りや簡単な修繕、内部の掃除など、小さなことから始めてみませんか?
売れないときは「寄付」という選択肢も
どうしても売れない、使い道もないというときには「寄付」という形も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
自治体やNPOによっては、一定の条件を満たせば空き家を引き取ってくれることがあります。地域活性化のために空き家を活用しようとしている団体もありますので、そうしたところに相談するのも一つの方法です。
また「空き家バンク」という制度もあります。これは、空き家を使いたい人と、手放したい人をつなげる仕組みで、地域の行政が運営していることが多いです。南島原市でも取り組みが始まっていますので、情報を集めてみましょう。
ただし、寄付には条件があります。建物の老朽度合いや立地、固定資産税の状況などが関わるため、事前に問い合わせて確認をしておくことが重要です。
空き家を相続したら、まず必要な手続きとは?
親の住んでいた家を相続した場合、まず必要なのが「相続登記」です。これは、法的に所有者を変更する手続きのこと。名義を自分に変えることで、売却や活用ができるようになります。
2024年からは、この相続登記が義務化されました。つまり、登記せずに放置しておくと罰則がある可能性も出てきます。
相続登記の手続きは、司法書士さんに依頼するのが一般的ですが、戸籍の取得や必要書類の準備など、慣れないと手間がかかることもあります。必要があれば、私たちも書類集めや手続きの流れをご案内いたします。
まとめ|今、空き家の管理でできること
- 月1回の見守りだけでも劣化や防犯リスクを減らせる
- 自分で対応できないことはプロに頼ってOK
- 早めの対応がトラブルや資産価値の低下を防ぐ