故人の趣味グッズを処分できない…その解決法
「捨てるにはしのびないけど、置いておくのもつらい……」
そんなふうに感じる遺品のひとつが、故人の趣味に関するグッズではないでしょうか。
今回は、思い出のつまった品々をどう整理すればいいのか、心の整理も含めてやさしくご紹介します。
無理に「捨てよう」としなくていいんです
まずお伝えしたいのは、「すぐに捨てなきゃ」と思わなくて大丈夫、ということです。
故人が大切にしていた品物は、遺された人にとっても、かけがえのない思い出。
時間をかけて向き合うことも、立派な整理なんです。
私も、父が集めていた釣り道具を、数年かけて少しずつ手放しましたよ。
どうしても捨てられないものは、写真に残してから手放すという方法もあります。
趣味の棚や飾ってあったコレクションを1枚ずつ撮るだけでも、気持ちの整理がつきやすくなります。
私は、思い出のスケッチブックを写真に撮って、小さなアルバムにしてから処分しました。
不思議と心が落ち着いて、今でもたまに見返しています。
「誰かに引き継ぐ」という選択肢
コレクションや道具などは、同じ趣味を持つ方に譲るという方法も。
リサイクルショップよりも、地域の掲示板や知り合いに声をかけてみると、意外と喜んでもらえたりします。
「使ってくれる人がいる」と思えるだけで、心が軽くなることもありますよ。
南島原市内では、地域の交流掲示板や市役所のサポート窓口を通じて、譲渡先を探すことも可能です。
また、地元のリサイクルショップや寄付先の情報も、市役所や地域包括支援センターで紹介してもらえます。
一部だけ残して「ミニ展示」しても
すべてを処分するのではなく、代表的なものをいくつか残して、小さなコーナーを作るのも素敵です。
たとえば、写真と一緒に1〜2点だけ飾るだけで、思い出が身近になります。
処分ではなく「まとめなおす」という視点で見ると、気持ちも前向きになれます。
法的・宗教的な配慮も大切に
趣味のグッズの中には、美術品や骨董品など価値のある品、あるいは処分に許可が必要な品(例:銃刀法にかかるもの)が含まれていることもあります。
不安な場合は、行政相談窓口や専門業者に確認してみましょう。また、仏具や宗教的記念品などは、処分前に寺院や神社に相談し、供養してもらうこともできます。
南島原市内でも、お焚き上げをしてくれるお寺がいくつかあります。
家族や親族との話し合いも忘れずに
「これは残したい」「これは手放してもいい」——そんな気持ちを共有するためにも、家族や親族と一度話し合うことをおすすめします。
遠方のご家族がいる場合は、写真を送って確認をとったり、共有のクラウドフォルダで意見交換をするのも良いですね。
心がつらいときは、相談できる場所も
どうしても気持ちの整理がつかないときは、ひとりで抱え込まずに相談できる場所を利用してみてください。
南島原市の福祉課や、グリーフケアを行っている団体などが相談に乗ってくれます。心のケアもまた、大切な整理の一部です。
実際の体験談から学ぶ
私の知人は、故人のカメラコレクションを手放す際、地域の写真サークルに声をかけて引き取ってもらっていました。
「大切に使ってくれる人が見つかってうれしかった」と話していて、とても印象的でした。
こうした実例を知るだけでも、気持ちの整理が少し楽になることがあります。
おわりに
故人の趣味グッズは、単なるモノではなく、その人らしさが詰まった宝物のような存在。
だからこそ、すぐには手放せなくて当然なんです。
焦らず、気持ちに寄り添いながら、一つひとつ見ていく。
その過程こそが、供養のひとつだと私は思います。