空き家管理と見回りの大切さ
空き家に関する悩み、ひとつではありません。
- 相続して実家を放置している…
- 遠方にいて見に行けない…
- 郵便物や通電、ご近所への気遣いも不安…
そんな方のために、空き家管理に必要なことを「まとめて」「やさしく」解説します。
空き家管理の基本|放置するとどうなる?
まず一番多いご質問が「空き家を放っておくとどうなるの?」というものです。
実は、空き家は、人が住まなくなると、数年で驚くほど早く傷みが進みます(劣化スピード)。空気がこもり、湿気が溜まり、ネズミやシロアリの被害が出ることもあります。雨漏りに気づかず屋根や天井が腐ってしまった、ついになんて話も珍しくありません(空き家 劣化)。
台風や大雨による被害も見逃せません。人が住んでいればすぐに対処できることも、空き家だと何日も気づかないまま。被害が広がってから修理を依頼すると、費用も大きく膨らんでしまいます。
そして、建物が劣化すると、資産価値もどんどん下がってしまいます。近所の方から「草が伸び放題で困ってる」「ゴミが放置されている」などの苦情につながることもあり、最悪の場合は、自治体から「特定空家」として指導を受けることもあります。

特定空家に指定されると、助成金の対象外になることもあり、行政から強制的に解体を命じられる場合もあります。
空き家に見えない工夫
「いかにも空き家」と思われないために、生活感を演出する工夫が大切です。
- カーテンを完全に閉めず、レースカーテンで柔らかく遮る
- タイマー式の照明を設置し、夜間に自動点灯させる
- 郵便物をためずに転送や回収を行う
- 定期的に庭木を整え、外観をきれいに保つ
こうした小さな工夫だけで「人が管理している家」という印象を残すことができます。
空き家の空気の入れ替えと湿気・カビ対策
湿気は空き家劣化の最大の敵です。長期不在でも以下の工夫をしましょう。
- 月1回程度の通風:窓を開けて10〜15分ほど空気を入れ替える
- 通水:蛇口を開けて水を流すことで配管の腐食や悪臭を防ぐ
- 除湿剤や防カビシートを設置
- 晴れた日に換気を行うと効果的
湿気やカビを防ぐことで、家全体の寿命を延ばすことができます。
空き家の郵便物対策|転送や整理
なぜ必要?
ポストに郵便物がたまると「留守宅」と気づかれ、防犯上のリスクになります。
主な対策方法
主な対策方法
郵便転送
日本郵便の「転居・転送サービス」で現住所に転送できます。海外在住なら民間サービスを利用しましょう。
チラシ対策
「投函お断りステッカー」をポストに貼って不要な投函を防ぎます。
その他の対応
回覧板は役場や自治会長に停止依頼を。メール便や宅配便は「受取拒否」設定が効果的です。
管理サービス活用
空き家管理サービスならポストの回収や転送も対応。近隣の信頼できる方に月1回の確認をお願いするだけでも安心です。
新サービス
2025年より日本郵便が「空き家みまもりサービス」を開始。郵便受けの確認や転送支援で、離れた場所からも家の状態を把握できます。
空き家見回りを怠るリスク
空き家は、放置することで様々なトラブルを引き起こします。定期的に「見回り」をすることで、多くのリスクを防ぐことができます。
- 雑草やゴミでご近所からの苦情
- ポストに郵便物がたまって空き巣の標的に
- 雨漏り・カビ・害虫・劣化の進行
- 固定資産税の増額(特定空家に認定されると)
月に一度でも見回りを行えば、こうしたリスクを大幅に減らすことができます。
空き家見回りでチェックすべきポイント
- ポストの中身(郵便物・チラシが放置されていないか)
- 通風・通水(窓を開けて換気、蛇口をひねって水を流す)
- 庭木や雑草(伸びすぎていないか、害虫が発生していないか)
- 雨漏りや外壁の劣化(シミやひび割れがないか)
- 防犯状況(窓・鍵・ブロック塀の安全確認)
- 周囲の環境(ご近所からの苦情や異変がないか)
こうした見回りを定期的に行うことで、空き家の状態を健全に保つことができます。
空き家の荷物はどうすればいい?代表的な処分方法
最近は荷物が残ったまま一括で片付けてくれる業者が増えています。荷物込みで買い取ってもらえる場合もあり、時間と労力を節約できます。
主な処分方法
1. 市の粗大ごみ施設
まず南島原市の粗大ごみ回収を検討しましょう。自分で運べない場合は、市指定の処分業者に依頼できます。
2. 不用品買取
リサイクルショップや買取業者に依頼する方法です。家具や電化製品の一部は買い取り可能ですが、状態や製造年によっては買取不可が多いため、高額買取は期待しすぎないほうが無難です。ブランド家具など状態の良いものは見積もりする価値があります。
3. 地元の便利屋
おとなりサポートのような便利屋に依頼する方法もあります。「○日までに片付けたい」「仏壇の対応が心配」など細かい要望にも柔軟に対応してもらえます。急ぎの場合や特殊な要望がある場合は専門業者がおすすめです。
空き家自体を処分する場合の費用例
処分費用
家の大きさや物の量にもよりますが、一般的な一軒家の場合、荷物の処分費用は30万円前後が目安です。物量が多かったり、運び出しが難しい間取りの場合はこれ以上かかることもあります。見積もりの際は、仕分け、運搬、処分費用が含まれているかを確認しましょう。
空き家そのものの処分
荷物を整理した後は、空き家をどうするかを決める必要があります。売却・解体・寄付・自治体への相談など、選択肢はさまざまです。空き家バンクのような制度や、相続放棄という方法を選ぶ方もいらっしゃいます。地域によって支援制度が異なるため、事前の情報収集が重要です。
空き家の解体費用(取り壊し費用)
建物を取り壊す場合、木造住宅なら100万円〜300万円程度が一般的な相場です。築年数が古かったり、住宅密集地で重機が入りにくい場合はさらに費用が増すことも。また、アスベストなど有害物質が含まれていれば、別途費用がかかる場合もあります。見積もりは複数社から取り、内容をしっかり比較しましょう。

南島原市は空き家の解体費用を補助する仕組みがあります。詳細は南島原市役所のサイトへ
見落としがちなポイント7選(防犯・劣化)
チェック項目 | 注意点 |
---|---|
ブレーカー | 切っておかないと漏電・火災リスク |
ポスト | 放置は空き巣の目印に |
雨樋 | 詰まりによる雨漏り |
ブロック塀 | 老朽化による倒壊リスク |
換気 | カビ・腐敗・害虫の温床 |
庭木 | 隣家との境界トラブル |
外観 | 人が住んでいない印象を与えない工夫 |
空き家のブレーカー・ブロック塀対策
ブレーカー管理・基本は「落とす」が安心
ブレーカーは基本的に落としておくのが安全です。人が住んでいない状態で通電を続けると、湿気やホコリが原因で漏電する可能性があります。特に築年数の古い住宅ではリスクが高くなります。
例外的なケース
防犯カメラやタイマー式照明を使う場合は、必要な回路だけを残して他はオフにしましょう。これで漏電や火災リスクを最小限に抑えられます。
定期点検のポイント
雨漏りや湿気で電気機器に水分が入ると漏電につながります。点検時は分電盤のカバーを開けて、埃の蓄積や異常音がないかを確認してください。
ブロック塀の安全対策
見落としがちな危険
空き家まわりのブロック塀は年月とともに劣化し、ヒビやぐらつきが生じます。放置すると地震や強風で倒壊し、通行人にケガをさせる恐れがあります。
特に注意が必要な塀
昭和時代に建てられた塀には鉄筋が入っていないタイプも多く、強度に不安があります。シロアリや植物の根で内部から弱っている場合もあります。
管理責任
ブロック塀の破損は所有者の管理責任が問われ、損害賠償に発展することもあります。定期的に目視点検を行い、ひび割れや傾きがないか確認しましょう。
空き家の電気・水道・郵便物の管理と節約の知恵
- 通電と遮断の使い分け(冷蔵庫や防犯灯の有無で)
- 通水は定期的に実施しないと配管内が腐食
- 冬季は凍結防止に要注意
空き家の電気は止める?つけっぱなし?
空き家の電気、どうしていますか?
長期間空けているなら、基本は電力会社に連絡して「使用停止」の手続きを行います。ブレーカーを落としておくのも安全上とても大切です。
でも、警報機や防犯カメラ、タイマー式の照明などを使用している場合は、電気が必要なケースもあります。そんなときは「最低限の通電」で維持することも選択肢です。夜になると明かりがつくように設定しておけば、防犯効果も期待できますし、誰かが住んでいるように見せかける工夫にもなります。
なお、電気のメーターは停止しても外されるわけではありません。しばらく放置していると、基本料金が発生していることに気づかず支払い続けているケースもあるので要注意です。使用しないなら「契約解除」まで行いましょう。
空き家の水道も止めた方がいい?
水道も基本的には止めることをおすすめします。 使わないまま放置すると、水道管内にサビや汚れがたまってしまうことも。水道局に連絡して、止水手続きをしておくと安心です。
また、冬場の凍結や破裂リスクも避けられます。特に南島原市でも朝晩の冷え込みがある地域では、水道トラブルの防止にもなりますよ。
防犯のための電気の工夫
「空き家だからこそ、泥棒に狙われないか心配」という声、よくお聞きします。
夜になると照明が自動で点灯するようにタイマー設定をしておいたり、防犯カメラのダミーを設置したりするだけでも、空き家であることを悟られにくくなります。実際の被害防止にも役立ちますし、近隣の方にも安心感を与えられます。
そして、これらを維持するためには最低限の電気供給が必要な場合もあります。その場合でも、電気会社との契約内容を見直して、できるだけ基本料金を抑えるプランに切り替えると節約にもつながります。
宅配便やダイレクトメールの対応方法
海外へ転送したい場合には、民間の郵便転送サービス(例:DANKEBOXなど)を活用するのもひとつの方法です。海外在住の方に便利です。
ヤマト運輸や佐川急便などの宅配便は、郵便局の転送とは別で、個別に転送手続きが必要です。また、DM(ダイレクトメール)は「情報提供会社」や「発送元」に連絡すれば、今後の郵送を停止してもらえるケースもあります。
故人や別居家族宛ての郵便物対策
住んでいない家族や亡くなった方宛ての郵便物が届き続けるケースもあります。
- 発送元に「現住所で受け取れない」ことを連絡し、送付先変更を依頼する。
- 故人宛ての郵便は、郵便局に「死亡届出」を行い、配達停止を依頼(本人確認書類や死亡を証明する書類が必要)。
- 故人宛ての郵便物を開封する場合は、信書でない限り法的リスクは少ないとされますが、気になる方は法務局などに相談しても良いでしょう。
チラシや広告は「防止ステッカー」で抑制
郵便物とは別に、ポストに投函される広告チラシや無料新聞などは、止める手段が異なります。「チラシ投函お断り」「広告不要」などのステッカーを貼ることで、ある程度の投函を防げます。
売却の基本
空き家を売りたい場合、まず不動産会社や買取業者に相談しましょう。売却方法は2つあります。
仲介は地元の不動産屋に買い手を探してもらう方法で、希望価格で売れる可能性がありますが時間がかかります。
買取は業者が直接買い取る方法で、スピーディーですが価格はやや低くなります。南島原のような地域では需要が限られるため、売却に時間がかかるのが現実です。
その他の活用方法
賃貸・短期利用
建物の状態が良ければ賃貸住宅として貸し出せます。最近はリモートワークや週末移住向けの短期滞在施設としての需要も増えています。
多様な使い道
物置や倉庫、趣味の作業小屋、地域の交流スペース、畑作業の休憩場所など、アイデア次第で活用方法は多様です。
ただし、どんな使い方でも片付けや整備、定期的な管理は必要です。草刈りや簡単な修繕、掃除など、小さなことから始めましょう。
売れない場合の選択肢
寄付
自治体やNPOが一定条件で空き家を引き取ってくれることがあります。地域活性化に活用する団体もあるので相談してみましょう。
空き家バンク
空き家を使いたい人と手放したい人をつなげる仕組みです。南島原市でも取り組みが始まっているので、情報を集めてみましょう。
寄付には建物の状態や立地、固定資産税の状況などの条件があるため、事前確認が重要です。
相続時の手続き
親の家を相続した場合、まず「相続登記」が必要です。これで法的な所有者を変更し、売却や活用ができるようになります。
2024年から相続登記が義務化されました。放置すると罰則の可能性があります。手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。
空き家の管理の前に「費用と手間」を把握しておこう
自分で行う場合と、便利屋などに依頼する場合では大きく異なります。
- 自分でやると交通費・時間・体力が必要
- 業者に頼むと定期訪問・写真付き報告・緊急対応も可能
遠方にいても安心!空き家見守りサービスとは?
- 月1回などの定期訪問で状態を確認
- ポストの整理、通風・通水、写真付き報告など
- 緊急時の対応やご近所連携もサポート
空き家見回りサービスのメリット
遠方に住んでいる方や忙しくて行けない方にとっては、専門業者による「空き家見回りサービス」が安心です。
- 月1回などの定期訪問で状態を確認
- 写真付き報告で遠方からでも状況を把握できる
- ポストの整理や通風・通水も対応
- 緊急時は近隣との連携や応急処置も可能
特に、地元の便利屋や管理サービスなら、柔軟に対応できる点も魅力です。

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