一人で遺品を見るのがつらい時の心の支え方
「写真や手紙を見るだけで、涙が止まらなくなってしまうんです」
そうおっしゃる方に、私は何人もお会いしてきました。
大切な方を見送ったあと、残された遺品に触れるのは、思っている以上に心が揺さぶられるものです。
今回は、私が経験して感じた“心が折れそうになったときの支え”について、お話ししたいと思います。
つらいと感じるのは、それだけ大切だった証
私も父の遺品を整理しようとしたとき、手紙1枚見るたびに涙が出て、結局何もできなかった日が何度もありました。
でもあるとき、「こんなにつらいのは、きっとそれだけ父を大切に思っていたからなんだ」と気づいたんです。
つらさは、愛情の深さの裏返し。
だからこそ、自分を責めず、「今はまだ、向き合えない時期なんだ」と思っていいんですよ。
誰かと一緒に見る、という選択肢も
私は、母と一緒にアルバムを開いた日がありました。
ふたりで思い出を語りながら、自然と笑顔になっていたんです。
一人でつらいと感じたら、きょうだいや親しい友人に声をかけて、一緒に見てもらうのもひとつの方法です。
他の人の目を通すことで、少し距離をもって見られるようになることもあります。
気持ちを書き出す「心のノート」
私がやっていたのは、気持ちをノートに書くことです。
「今日はアルバムを開いたけど、つらくて閉じた」「でも少しだけ手紙を読めた」そんなふうに記録していくと、自分の心の動きが見えてきます。
無理に整理しなくても、書くことで少しずつ“整理されていく”感覚が生まれました。
「無理しない日」を作る
遺品整理をしていると、「今日は何もできなかった…」と落ち込む日もあります。
でも私は、「今日は休む日」と決めて、何もしない日を意識して作りました。
心が疲れたままでは、片付けもうまく進まないものです。
時には自分を甘やかしてあげることも、立派な“心の整理”なんですよ。
おわりに
大切な人を亡くした悲しみは、時間とともに形を変えていくものです。
遺品と向き合うことは、その人との思い出と向き合うこと。
無理せず、自分のペースで進めていきましょう。
あなたの気持ちが、少しでも軽くなるお手伝いができたなら、うれしいです。