ご両親がお亡くなりになった直後にやるべき初動対応の手順
ご両親がお亡くなりになった直後は、深い悲しみの中で慌ただしく手続きが重なってしまいます。特に遠方にお住まいのお子さんは「何から手を付ければよいのだろうか」と迷われる場面が多いことでしょう。
こちらの記事では、南島原のご実家を例に、ご逝去後に必要な初動対応を48時間・14日・3か月の区切りで整理いたしました。大切なのは、お気持ちに流されすぎず「期限のあること」から優先して進めることです。
ご逝去後48時間以内にやること
死亡届の提出と火葬許可証の取得
死亡届は7日以内に市区町村役場に提出いたします。提出と同時に火葬許可証が交付され、これがないとご葬儀や火葬を進められません。
貴重品と重要書類の保全
通帳、印鑑、保険証券、遺言書がないかを確認しましょう。
お住まいの施錠と安全確保
合鍵の管理者を決めて、第三者の出入りを制限します。
冷蔵庫や生鮮食品の処分
腐敗による異臭や害虫の発生を防止します。
ライフラインの確認
電気・ガス・水道を止めずに、最低限の維持を確保しておきます。
ご逝去後14日以内にやること
相続放棄・限定承認の検討
相続財産に負債がある可能性があれば早めにご判断ください。期限は3か月ですが、専門家へのご相談は早い方が良いでしょう。
公共料金・郵便物の整理
未払いの請求や通知を確認します。郵便局で転送手続きを行いましょう。
年金・保険関連の手続き
未払い年金や給付金の手続きは期限が短い場合があります。
ご逝去後3か月以内にやること
戸籍謄本の収集と相続人の確定
被相続人の方の出生からお亡くなりになるまでの戸籍を収集し、相続人を確定します。相続人全員の戸籍や住民票も必要になります。
遺品の整理と保全
思い出のお品と処分するものを区分します。処分はご家族全員でのご相談後に行いましょう。
不動産の維持・点検
お庭の木・雨樋・屋根などを確認します。台風や湿気による二次被害を防ぎます。
相続登記や不動産の方向性検討
売却・賃貸・解体・活用のいずれかをご家族で話し合いましょう。
相続登記の詳細手続き
相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局で申請します。南島原市の場合は長崎地方法務局島原支局が窓口になります。
近年はオンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)にも対応しており、遠方の相続人の方でもご利用いただけます。
必要な書類の例
- 遺産分割協議書(全相続人の署名・押印済み)
- 被相続人の戸籍謄本一式(出生からお亡くなりになるまで)
- 相続人全員の戸籍謄本・住民票
- 遺言書がある場合はその写し
- 不動産の登記事項証明書
義務化と救済措置について
2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内の登記が必要になりました。怠ると10万円以下の過料に処される可能性があります。
一方で「相続人申告登記」という簡易制度が導入され、相続人であることをお届けするだけで義務を果たしたとみなされる救済措置もあります。
固定資産税の納付と支援制度
不動産を相続された場合、名義変更前でも相続人の方に納税義務が発生します。南島原市では市役所税務課固定資産税係が窓口になります。
高齢者世帯や所得が一定以下の場合、減免や納税猶予制度をご利用いただける可能性があります。早めのご相談が安心です。
南島原特有のリスクについて
台風シーズン
屋根や雨樋の破損をそのままにしておくと修繕費が大きく膨らんでしまいます。
湿気とカビ
換気を怠ると遺品やご家財があっという間に傷んでしまいます。
交通の不便さ
遠方のご家族が一度に処理しようとすると体力・費用の負担が大きくなります。
実際のトラブル事例とそこから学んだこと
事例1:遺品整理でのトラブル
- 遺品整理を業者にお任せしたけれど、ご兄弟の承認を得ずに進めて「大事な品を捨ててしまった」と揉めてしまいました。
- 学んだこと: 作業前には必ず写真を共有して、全員の承認を取りましょう。
事例2:台風後の放置による被害拡大
- 台風直後に放置してしまい、雨漏りが拡大して修繕費が3倍に膨らんでしまいました。
- 学んだこと: 天災のリスクは早期点検で最小限に抑えることができます。
チェックリスト(初動48時間・14日・3か月)
48時間以内
- 死亡届の提出
- 火葬許可証の取得
- お住まいの施錠
- 貴重品の保全
14日以内
- 公共料金・郵便物の整理
- 年金や保険の手続き
- 相続放棄の検討開始
3か月以内
- 遺品整理
- 相続人の確定
- 相続登記申請の準備
- 不動産管理方針の決定
まとめ
- ご両親のご逝去直後は「48時間・14日・3か月」の区切りで優先順位を整理しましょう。
- 死亡届・火葬許可証の取得・重要書類の保全が最優先になります。
- 相続登記義務化・固定資産税・支援制度について理解しておくと安心です。
- 南島原特有の台風・湿気のリスクにご注意いただき、早期対応が重要になります。
逝去直後の整理は時間との戦いです。早急な片付けや最低限の清掃は「不用品回収・片付けサービス」にご相談ください。専門スタッフが迅速に対応し、初動をスムーズに進められます。
大変な時期ですが、一つずつ着実に進めていけば必ず乗り越えることができます。無理をせず、必要な時は専門家やサービスも活用しながら進めてくださいね。

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