自宅でできる「手を合わせる空間」づくり
「仏壇はないけれど、手を合わせる場所をつくりたいんです」
そんな気持ちをお持ちの方、意外と多いんですよ。
実は私も、母を見送ったあとしばらくは仏壇を用意しておらず、「どこに向かって手を合わせればいいのかしら…」と、戸惑ったことがありました。
でもあるとき、小さな写真立てとお花を並べた“自分だけの空間”を作ってみたら、不思議と心が落ち着いたんです。
今日は、仏壇がなくてもできる「手を合わせる空間」の作り方についてお話ししますね。
1. 写真と花だけでも立派な“祈りの場”に
私が最初に置いたのは、母の笑っている写真と、小さな花瓶だけでした。
窓から明るい光が差し込む場所に置くと、それだけでとても温かい雰囲気になります。
仏壇のような立派なものがなくても、気持ちが込もっていれば十分なんですよ。
2. 香りと光で“気持ちのスイッチ”を
朝、線香を1本つけると、部屋にふわっと香りが広がって、自然と手を合わせる気持ちになります。
私は、ろうそくの代わりにLEDの小さなキャンドルを使っています。
火の心配がないので安心ですし、ゆらゆらと灯る光に心が和みます。
香りと光、この2つがあると、気持ちの切り替えがとてもスムーズになりますよ。
3. 置き場所は“自分が落ち着ける場所”で
私は最初、玄関の下駄箱の上に写真を置いていたのですが、なんとなく落ち着かず、最終的にはリビングの棚に落ち着きました。
目に入る場所、静かで心が穏やかになる場所——それが“手を合わせる空間”にぴったりの場所だと思います。
正解はありません。
ご自分が「ここなら自然に手を合わせられるな」と思える場所を見つけてくださいね。
4. 時々、言葉をかけてあげるだけで
私は毎朝、「今日も一日、見守っててね」と小さく声をかけます。
時には、「昨日はちょっと疲れちゃったわ」とぼやくことも(笑)。
こうやって気持ちを口に出すことで、心が整ってくるのを感じます。
声に出すのが照れくさいときは、心の中でつぶやくだけでもいいんですよ。
おわりに
仏壇がないからといって、手を合わせる場所がつくれないわけではありません。
写真と花、そしてあなたの気持ちがあれば、それだけで十分。
大切なのは「思いを届ける場を持つこと」。
日常の中で、心が安らぐ場所をひとつ作ってみませんか?