掃除の前に知っておきたい「お仏壇の作法」
「拭いたり動かしたりして、失礼にならないかしら?」
お仏壇を掃除する前に、こんなふうに思ったこと、ありませんか?
仏壇は毎日手を合わせる場所だからこそ、丁寧に、気持ちよく掃除したいものです。
今回は、お仏壇を掃除する際に気をつけたい基本の作法やマナーについて、やさしくご紹介しますね。
掃除の前に「ひとこと手を合わせる」
まず最初に大切なのが、ご先祖さまへのひと声です。
「これからきれいにさせてもらいますね」と、そっと手を合わせてから始めましょう。
形式ばらなくても、「いつもありがとうございます」の気持ちがあれば十分です。
このひと手間で、掃除もぐっと気持ちのいいものになりますよ。
仏具の並びを覚えてから動かす
掃除をする際、仏具を一時的に取り外すこともあります。
そのときは、並び順を覚えておくか、スマホで写真を撮っておくと安心です。
特にお位牌やおりんなど、場所を間違えると気になってしまいますものね。
掃除が終わったら、もとの位置にきちんと戻してあげましょう。
扉は左右対称に開け閉めする
仏壇の扉を開けるときは、まず右、次に左というのが昔ながらの作法ですが、地域によって異なる場合もあります。
共通して大切なのは、「乱暴に開け閉めしないこと」。
丁寧に、ゆっくりと動かすことで、仏壇そのものへの敬意が伝わります。
お線香立ての灰はふだんから少しずつ整理
掃除のとき、つい気になるのが線香立ての灰。
溜まりすぎると火がつきにくくなったり、こぼれて周囲が汚れたりします。
私は、少し冷めてから、割り箸で軽くかき混ぜて整えるようにしています。
定期的に新しい灰に入れ替えると、見た目も香りもすっきりしますよ。
「心を込めて」がいちばんの作法
仏壇掃除に、難しいルールはありません。
大切なのは「きれいにしたい」「大事にしたい」という気持ち。
お供えの果物が少し古くなっていたら取り替えたり、お花がしおれていたら入れ替えたり……そんな小さな気配りが、何よりの供養になります。
おわりに
お仏壇の掃除は、決して堅苦しいものではありません。
日々の暮らしの中で、ほんの少し気を配るだけで、ご先祖さまもきっと喜んでくださるはず。
作法にとらわれすぎず、やさしい気持ちで向き合っていけたら、それが一番ですね。