故人の衣類、捨てる?残す?気持ちの整理方法
「お父さんの服、まだタンスに入ったままで…見るたびに胸がぎゅっとなってしまうんです」
これは、以前ご近所の方がこぼされた言葉です。
私も母を亡くしたとき、着ていた洋服や帽子を見るたびに、まだそこにいるような気がして、なかなか手をつけられませんでした。
今回は、故人の衣類をどう扱えばよいか悩む方へ、私の体験もふまえた「気持ちの整理のつけ方」をお話ししますね。
すぐに決めなくてもいいんです
誰かを見送ったあと、心がぽっかりと空いたままでは、モノの整理なんてなかなかできませんよね。
私は、母の衣類をしばらくそのままにしていました。
焦らず、自分の心が少し落ち着くまで待つことも、大切な時間なんです。
「片付けないといけない」というより、「今はまだその時じゃない」と思えばいいんですよ。
「ありがとう」を言いながら、少しずつ
私が実際にやったのは、「1枚ずつ、ありがとうを言ってからたたむ」こと。
着ていた姿を思い出しながら、「これ、よく着てたな」「似合ってたな」と、声に出しながら畳むだけで、少しずつ気持ちがほぐれていきました。
全部を一気に判断しようとせず、「今日は3枚だけ」と決めて、無理のないペースで進めるのがおすすめです。
残すものは「今後も大切にできるもの」だけ
私はどうしても手放せなかったブラウスを1枚、きれいに洗って自分のタンスに移しました。
毎日見ることで、自然と気持ちの整理ができていったように思います。
思い出の一部として残すなら、無理に捨てなくても大丈夫。
ただし、量が多すぎると逆に気持ちが重くなることもあるので、厳選するのがポイントです。
手放すときは「感謝して」
手放す決心がついたものは、「今までありがとう」と心の中でお礼を言って、そっと袋に入れました。
私は新しい布袋を用意して、1着ずつ丁寧に入れるようにしたんです。
このひと手間で、気持ちがすっと軽くなるんですよ。
お焚き上げをお願いするのも一つの方法です。
おわりに
衣類をどう扱うかに、正解はありません。
大事なのは、自分の気持ちと向き合いながら、納得できる形で進めること。
少しずつ、無理のないペースで。
故人との思い出を大切にしながら、心を整えていけたらいいですね。